「リーダーの仮面」を読みましたか? 管理人は、部下マネジメントに悩んでいたときに
たまたま「リーダーの仮面」を読みました。
結論としては、「識学」のマネジメントが上手く回っている会社なら投資したいと考えました。
(自分の会社では、「識学」の考え方でのマネジメントはできないですが、、)
株式会社識学は、一見、本業の組織コンサルティングと、畑違いなベンチャー投資やスポーツビジネスなどもしてます。
しかしながら、根幹は、「識学」という考え方をベースに事業展開していることがわかりました。
面白そうな会社なので、じっくり分析してみました。
POINT
- 「識学」が今後ますます流行ると思えば投資妙味あり
- ライバルは (2170)リンクアンドモチベーション
- バランスシート(BS)の「投資有価証券」は減損可能性はあるが、債務超過にならない。(2022年第二四半期終了時点)
どんな事業をしている会社か
※各種数字は、2021年3月〜8月の第二四半期累計の数字
1.組織コンサルティング事業
売上高 1,558,103千円(前年同期比65.5%増)、営業利益は294,660千円(前年同期比3,997.2%増)
内 ①マネジメントコンサルティングサービス
売上高は1,070,358千円(前年同期比36.5% 増)
座学、面談などのいわゆる研修です。ただ、経営者向けなので、価格が1時間あたり10 万円〜からなど利益率は高そうです。
1社あたりの平均契約金額は、2,115,385円(管理人独自試算)※です。
中規模企業数52万社×平均契約金額2,115,385円=1兆1000億円(当社予想のマーケット規模)
当社IR資料より
内 ②プラットフォームビジネス
売上高 487,545千円(前年同期比210.5%増)
①マネジメントコンサルティングサービスを導入した企業に識学が上手く根付いているか?を確認する毎月課金製 のサブスクリプションビジネスですね。
予め作成したコンテンツや勉強会をオンライン上で行うようなので、原価や費用は一定で、会員数が増えれば増えれるほど、利益がでるビジネスですね。
会費は、毎月20 万円〜からなので、①のマネジメントコンサルティングサービスよりこちらのプラットフォームビジネスのほうが利益率が高く将来の収益の柱になると予想してます。
2.スポーツエンタテインメント事業
売上高は91,784千円、営業損失は75,255千円
売上は、福島ファイヤーボンズの運営による「スポンサー収入」「入場料収入」「行政からの受託収入」
2023年6月期まで投資期間となり、赤字見込み。
現在種まき中の事業です。
3.受託開発事業
売上高は151,595千円、営業損失は13,752千円
「入社体感DX」というサービスを2021年3月に出したことが発表されました。
2021年3月の報道時点で24社ですから、種まき時期ですね。
完全子会社のシキラボの2024年2月期黒字化を目指しております。
サービス名は「入社体感DX」で完全子会社のシキラボ(東京・品川)が提供する。営業や開発など職種別に仕事内容を把握できる設計にした。閲覧者は職種を選ぶと、選択した部署で働くストーリーが展開される。企業の採用サイトに埋め込むか、特設サイトを作ることで運用できる。途中で選択肢を提示し仕事への適性診断もできる。
サービスは既に24社が導入予定だという。価格は税別50万円から。新型コロナの感染対策で、企業は面接など採用活動をオンラインに移行している。求職者の仕事への理解を深めることで、採用後の定着率を高める狙いがある。
日経新聞より引用
4.VCファンド事業
投資先企業 への「識学」導入による組織改善によって成長支援するベンチャーキャピタルファンドを運営。
営業損失は13,113千円
5.ハンズオン支援ファンド事業
営業損失は990千円
成長資金の出資と講師の常駐派遣を行う。
※VCファンドは、講師の派遣までは行わないので、ハンズオン支援の方が経営により直接介入するようです。
当社IR資料より
指標
時価総額:161億円
株価:2,097円
予定年間配当:0円
年間配当利回り:0%
予想PER:80倍(22年2月期 EPS 26円) 41倍(23年2月期 50.8円)
PBR:17.4倍
※2021年11月10日終値時点のデータ
株主優待
無し
配当
無し
足元業績(儲かっているのか?売上はあがっているのか?)
大幅増収! 赤字着地! 一過性の赤字と判断!
引用元:SBI証券
2021年度2月期における
売上高は、前年度比45.7%増収
経常利益は、前年度比▲29.4%減益
当期利益は、前年度比平均▲123.0%減益
理由は、連結子会社である福島スポーツエンタテインメント株式会社が特別損失109,058千円 を発生させたため。
具体的な特別損失発生理由は、コロナの影響によりBリーグの試合中止等の外部環境の悪化により将来収益に関する不透明感が高まったことを踏まえ、のれんの減損処理を実施したため。
コロナ禍でオンライン配信も一般的になってきたので、一過性の赤字と考てます。
決算分析ポイント
本業の稼ぐ力を表す営業CFは直近5期は黒字なのは○ですね。
企業としても伸び盛りなので投資CFはマイナスは悪くありません。
投資CFがマイナス分を営業CFと財務CFでカバーできているので、資金繰りも当面は問題ないです。
以上より損益計算書もキャッシュフローも問題ありません。
貸借対照表についても唯一気になるのが、投資有価証券236,737千円(前年度比+約200M)です。投資先の業績次第で減損可能性ありですね。
ただし、純資産が897,356千円ありますので、投資先が倒産しても債務超過にはならないので、大きな心配はしてません。
今後の見込み
組織コンサルティング事業
当社予想のマーケット規模は、1兆1000億円※1 です。
※1 中規模企業数52万社×平均契約金額2,115,385円=1兆1000億円
1%のマーケットシェアをとれたら売上高110億円になります、
2021年2月期の組織コンサルティングの売上高は15億円ですから、
7倍弱(110億円÷15億円)の伸びしろはありますね。
現在、
スポーツエンタテインメント事業
受託開発事業
VCファンド事業
ハンズオン支援ファンド事業 は、
育成中ですので、まだまだ市場規模を意識する段階ではないです。
まだまだ伸びそうですが、見込みを客観的に検証するのは難しいです。
ライバル企業
人事コンサルティングに関しては、
2170 リンクアンドモチベーション 時価総額 1213億円 売上高 352億円(2020年12月期)が直接的なライバルになります。
個人の「ワークモチベーション」を引き出すには、企業は「⾦銭報酬」に加えて「感情報酬」を提供することが重要と提唱してます。
→識学の考え方と180度異なる「感情報酬」を提供する研修を行っています。
なお、
リンクアンドモチベーションの人材コンサルティング事業である
組織開発Divの売上高99億円(2020年12月期)です。
その他の研修関係の企業では、
6200 インソース 時価総額 883億円 があります。
社会人向けの幅い研修です。 提供するサービスから直接的な識学のライバルとはいえないですね。むしろ、コンテンツの一つとしての提携可能性?もあるかもですね
9757 船井総研 時価総額1421億円
経営コンサルティング事業売上高 162億円(2021年9月期)
経営コンサルティング事業のうち約7割を占めるのが月次支援コンサルティング
経営コンサルなので、人事以外の事も指導するので、直接的な識学のライバルとはならないです。
リンクアンドモチベーションがライバル企業と考えるのが妥当ですね。
参入障壁及び優位性
参入障壁
人事・組織コンサルティングは、参入障壁は無いと言えるぐらい、誰でも参入できます。
具体的に、日本には、今、キャリアコンサルタント登録者数は、59,557人います。(2021年3月末時点)
引用元:キャリアコンサルタントWebサイト「2021年3月末都道府県別登録者数」
優位性
・「識学」を利用した「相⼿の中にない答え」を与える唯一無の二ティーチングであること。
理由:最近主流の研修は、コーチング(クライアントの中の答えを引き出す)とは、180度アプローチが異なるため
・コンサルティング・ファームとは競合しないこと。
理由:コンサルティング・ファームが顧客向けにサービスをカスタマイズ化するのに対し、識学は識学理論をマニュアル化し拡販するため。
・トップダウンの研修のため、成果を早く出せる可能性が高い
理由:ボトムアップで、従業員一人一人にコーチングを行うと時間がかかるため
当社IR資料より
株価予想
直近高値2805円(2021年2月14日)がPER 56倍 2805÷EPS50(2023年2月期)
直近安値1261円(2021年1月8日) がPER 25倍 1260÷EPS50(2023年2月期))
来期EPS 50円 ✕40倍〜80倍=2000円〜4000円を想定
IRスケジュール
追伸
株式会社識学への投資を悩んでる方は、まず、
社長の安藤 広大氏の著書「リーダーの仮面」をぜひ読んでみてください。
読んで、考えに共感できるなら、投資先として検討して良いと思います。
管理人も書評も簡単に書きましましたので、よかったら参考にしてください。