対象者
- 日本の証券市場が米国市場に大きな影響を受けている理由を知りたい方
- 海外の有名ファンドの保有銘柄を知りたい方
- 外国人投資家が日本の株式市場をどう見てるか知りたい方
書籍のキーワード
外国人投資家・世界の動き・個人投資家の強みを意識
概要
著書の菊地 正俊氏は、みずほ証券エクイティ調査部のチーフ株式ストラテジストです。
本書は、2017年12月発行になります。
そのため、2017年12月の傾向が2021年3月の相場にも活かせるか管理人は、確認しました。
具体的には、外国人投資家の日本における売買シェアや保有シェア等の状況の確認を行いました。
確認の結果は、2017年と2021年の状況はさほど変わりませんでした。
そのため、本書では、日本の株式市場で実際に
外国人投資家が
- 「いつ」
- 「どの位」
- 「どのような銘柄」
を購入しているかの一般的な傾向を知る事ができます。
「外国人投資家が東証一部での売買シェアの約6割〜7割を占めている事実」
を踏まえ、
日本株で勝つためには、
世界のトレンドを心の底から学ぶ必要性を感じれる一冊に仕上ってます。
管理人独自の5個のポイント
どういう日本株をどのくらい買っているのか?(P22~)
外国人投資家の日本株保有率は、
2016年度末に30.1%と若干回復しました。
外国人投資家は結構保有していますね。
なお、2019年度末の株式分布状況調査においても、外国人投資家は29.6% のため、ここ数年は横ばいのようです。
また、2019年の外国投資家の保有率が 一番高い業種は、
- 医薬品42.3%
一番低いのは - 水産・農業等 12.3%
になります。
2016年当時は、水産・農業等の外国人投資家の保有率は、16.0%だったものの、3年間で約3%下落してます。
日本の水産・農業等の成長率が低いため、水産・農業関係の会社の株式を手放す外国人投資家がますます増えてきています。
東証一部における外国人投資家の売買シェアは6〜7割で推移
2021年2月においても68%のため、大きな変化はありません。 なお、マザーズは、42%となっています。 この事からある程度以上の規模の企業に外国人投資家は投資する傾向があるのがわかります。
コバンザメ投資(P48~)
”大量報告書を出すということは、〜一部省略〜5%を保有した後も買い増すことが多いため、個人投資家は大量保有報告書を見た後のコバンザメ投資が有効かもしれません”
何も考えずに投資を行う位なら、大量保有報告書を出したファンドに乗っかる「コバンザメ投資」が良いかもしれないです。
ファンドは、一般に短期投資のイメージがありますが、実は、長期投資のファンドもたくさんあります。 管理人も最近、長期投資のファンドの大量保有報告書は意識的に目を通すようにしてます。
いま外国人投資家は日本経済と株式市場をどう見ているのか?(P72~)
2017年9月も、米国10国債利回りの反発が外国人投資家の日本株買いのきっかけになりました。
引用:投資の森
一方、2021年2月26日の日経平均は、前日比1202円安の2万8966円と大幅下落しました。
理由は、25日の米市場で、10年物国債利回りが一時1.61%と約1年振りの高値をつけたからです。
同じ、金利の上昇でも投資家が、金利の上昇を今後の景気回復も見込んだ良い金利上昇と捉えれるか否かにかかってます。
管理人は、
- 米国債10年利回りはコロナ前は普通に2%以上あったこと
- 日銀の追加緩和に期待
から
持ち株は、急いで処分せずにもう少し様子を見てみようと思ってます。
外国人投資家の投資行動を活用して儲けるための7つの方法(P168~)
世界経済が成長する中で、何らかの理由で8月〜9月に外国人投資家売りで日本株が下落したら、買い場と考えて思い切って買って、「sell in May」の前に4月に売るのが良いでしょう。
管理人は、この教えて基づいて、過去、取引を行ったことがありますが、選んだ銘柄の決算がわるく失敗しました。
決算もまずまず、期待できて外国人比率の高い、ソニーやトヨタならこの法則は比較的堅い気がします。
保証はできませんが。。
外国人投資家がオーナー系企業を好むのは明らかなので、IPO段階から将来的に大きくなりそうな、新興オーナー系企業に投資するのが、個人投資家の投資戦略になるでしょう
(4475)HENNGEは、約50%近い株式を創業者等が保有しています。
流行りのSaas系銘柄という事もあり、1年間で2,000円から9,000円近くまで上がりました。管理人は途中でふりおとされましたが、、
外国人投資家より前に「時価総額が大きくなりそうな企業」を買う
外国人投資家は購入するロットが大きいので、時価総額が100億以下の小さな企業には滅多に投資しません。
この点、個人投資家は、時価総額が小さな100億円以下の企業にも柔軟な投資期間で対応できるのが優位性になります。
管理人は、2020年2月に株価1,000円前後、時価総額も100億円程度の時に(4436)ミンカブ・ジ・インフォノイドを購入しました。
購入した理由は、以下の3点です。
- 自己資本比率も50%程度あり、倒産懸念も無いと判断できた。
- ファンドによる売り出しがおわり、株の需給も引き締まった。
- 老後2000万円不足問題、少子高齢化、低金利により若い方も投資をせざるを得ない時代が来ると考えた。(中長期的なトレンド)
主要な外国人投資家(運用会社)の考え方と投資知手法はこうなっている(P181~)
主要な外国運用会社が紹介されてます。
外国運用会社は、信託銀行経由で株式を買うことが多いので、あまり普通紙にでて来ないので、興味深い内容になります。
今後、定期的にIR資料を見ようとおもったのは、 NBIM(ノルウェー政府基金)です。
理由は、以下の3点です。
①世界的なテーマである再生可能エネルギー関連に投資している
②情報開示が良いので非常に参考になる
③世界中の優良銘柄に投資
なお、日本市場においては、(6861)キーエンスと(6367)ダイキン工業の株式も保有してます。
出典:NBIM P83
本書を読むと今日からわかるorできる3つのポイント
- 外国人投資家を意識した銘柄選択を行えるようになる
- 世界的に有名な運用会社が保有している銘柄を知れる
- 「コバンザメ投資法」を知れる
本日の書籍情報
【書籍名】№1ストラテジストが教える 日本株を動かす外国人投資家の儲け方と発想法
【著者名】菊地 正俊
【出版社】日本実業出版社
【出版日】 2017/12/7
【オススメ度】5段階中4
【こんな時に】外国人投資家の動向が気になった時
【頁 数】256ページ
【目 次】
[はじめに]
[第1章]外国人投資家とはどういう人たちで日本株をどう売買しているのか?
[第2章]いま外国人投資家は日本経済と株式市場をどう見ているのか?
[第3章]いま外国人投資家が注目している日本株の投資テーマはコレだ!
[第4章]外国人投資家がもっと買いたくなる日本企業の姿とは?
[第5章]外国人投資家の投資行動を活用して設けるための7つの方法
[第6章]主要な外国人投資家(運用会社)の考え方と投資知手法はこうなっている
追伸
本書の内容の大部分を、個人投資家の多くは知らない気がします。
本書の内容を知らないから相場で必ず勝てないという事は無いと思いますが、
知っていると間違った判断に下すリスクは減らせると思います。