(書評11)これからパンローリングの投資本を読む人へ ──万年初級者の残念な思考と姿勢

対象者

  1. 初心者が陥りがちな失敗談をさくっとしりたい方
  2. 株式投資における大きな失敗を防ぐ心得を知りたい方
  3. 株式投資を3年位おこなっているが、初心に立ち返りたい方

書籍のキーワード

株式投資・失敗談・心得

概要

「パンローリング社は知っていますか?」

主に株式投資や商品先物関連の翻訳書等を刊行している出版社です。
管理人も株式投資が禁止されている銀行員時代には、全く知りませんでした。

株式投資を始めると、気づかぬうちに、パンローリング社の本を1冊、2冊と手に取っていました。

著者の塩見努氏は、CFP1級ファイナンシャル・プランニング技能士。そして、資格の学校や大学でFP養成講座の講師業を務めるかたわら、自分で保険を選ぶための来店型保険相談所、Solook Design(ソルックデザイン)を芦屋市で運営されているそうです。

本書ですが、

株式投資をこれから始める方も、すでに株式投資を行っている方も

オススメです。

理由は、

時間をおいて読み返すと、「線を引く場所が変わる」

成長に合わせて気づきを与えてくれる本だからです。

300円前後で、大きな失敗を防げる本になるので、

安い買い物です。

管理人独自の5個のポイント

万年初級者の典型  (Kindle の位置No.220)

”資産運用の投資では、1ゲームの結果よりもトータルの結果のほうが、よほど重要です。そこに派手さは必要ありません。投資は商売であり、けっして楽しいことばかりではないのです”

「耳が痛いです。」

管理人も株式投資を初めて1年目ぐらいのとき、ビギナーズラックでそこそこプラスでした。

当時は、調子にのっていました。

そして、

2018年7月(株)ビジョナリーホールディングス(9263)のPO(公募売出)が発表されました。
勢いでPTS(夜間市場)にて(株)ビジョナリーホールディングス(9263)の株を○千株買い増した。


2日間で40%近く下がりました。
その年のプラス分を飛ばした上に、マイナスになりました。

みなさん絶対に真似しないでください。

出口が無い、戦略が無い、勢いだけの投資は、絶対に勝てません。

投資本の読み方 (Kindle の位置No.348)

”中級に入るためには、自分の得意な投資手法を見つけ、さらに磨きをかけていかなければなりません。その過程では入手した情報を単に知識として詰め込むのではなく「こうすればどうなるのだろうか?」「このパターンのときは、どういう時期に使えるのか?」など、自分なりの疑問をどんどん持ち、調べなければならないのです。そのような行為は、勉強というよりも、研究という言葉が適切ではないかと思います。”

はじめて、投資本をよんでいくと、「なるほど〜」と感心することは多いです。

ただし、

実際5冊、10冊、20冊と読みすすめていくと、 投資本同士で、矛盾することが書いてあり、

「どれを信じればよいのか?」 とかなり悩む時期が遭遇します。

この悩みのトンネルを解決する方法は、ただ一つです。

自分の手を動かして、学んだことを試していくしかないです。

知識を「単なる知識」で終わらせないために絶対に自分で検証(試す)はおこなってください。

修行期間 (Kindle の位置No.423)

”修行期間のひとつの目安として、投資経験5年、投資本50冊、売買経験500回を設定してみるとよいでしょう。”

管理人の場合、きちんと投資の売買記録を付け始め、
心をいれかえて学び始めてからは4年、 投資本は100冊以上はよみました。

長期トレードなので、売買経験は100回位です。

元々銀行員で、財務諸表はそこそこ読めたのもありますが、3年過ぎたくらいから、
年間でやっとプラスになり始めました。

本当に何も知らない0の状態からの場合、「年間でプラス」になるには5年はかかるのは納得です。

成功者の性格(Kindle の位置No.1493)

”私が投資の研究をするとき重要視していることに「数える」ことがあります。簡単にいえば、定量化(数値化)できるものはすべて定量化してしまい、数えられるものはすべて数えるということです。そこで重要なことは「根気」です。というのは、検証には非常に時間がかかるのに、そのほとんどは結果的に無駄になるからです。”

この「成功者の性格」は、
書店で平積みされてる、初心者受けを狙った本には絶対にまなべない事です。
(例:1週間で○○円稼げる的な本)

「数える」ということは、例えるなら、当たりが1%の銘柄をみつけるために、
残りの99%のはずれを数えて切り捨てる作業になります。

人間、欲深いので楽に儲けたいので 急騰銘柄をみると飛び乗りたくなりますが、
ぐっとこらえて「数える」作業が本当に大事になります。

有名なかぶ1000氏の本を読んでいると
かぶ1000氏が行っている会社分析は 「数える」典型になります。 
単調でつまらないけど、優良銘柄の発掘につながります。

(書評:No.7)貯金40万円が株式投資で4億円-元手を1000倍に増やしたボクの投資術

 

これから投資の修行を始める前に(Kindle の位置No.2134)

質問1 あなたは何のために積極投資をするのですか?
質問2 あなたはどのぐらいの期間、積極投資を続けるつもりですか?
質問3 最終的にいくらにまで増やそうと考えていますか?
質問4 どのようになったら売買を仕掛けますか?
質問5 どのようになったら売買を手仕舞いますか?
質問6 先ほど答えた投資期間と目標金額を達成させるために、いくらの資金をどのようなタイミングで投入していきますか?
質問7 1回の売買に、いくらの金額を投資しますか?
質問8 勝ったときも負けたときも平常心でいるためにどうしますか?”

「答えれますか?」

管理人は、質問8は、いまだに答えれられません。

買ったら嬉しいですし、負けたら残念な気持ちになります、。

これらの8個の質問の趣旨は、
「感情的にならずに理性的に判断・行動していますか?」 に違いありません。

これから株式投資を始める方はスマホのメモにこの8個の質問入れて、
売買をしかける前にみかえしましょう 。

「熱くなったら、負けです」

本書を読むと今日からわかるorできる3つのポイント

  1. 株式投資をはじめて数年は「修行期間」であることがわかる
  2. 株式投資における「数える」意味がわかる
  3. 感情のコントロール方法の重要性

本日の書籍情報

【書籍名】 これからパンローリングの投資本を読む人へ ──万年初級者の残念な思考と姿勢
【著者名】塩見努
【出版社】パンローリング
【出版日】 2011/1/21
【オススメ度】5段階中3
【こんな時に】株式投資で陥りがちな失敗を知りたいとき
【頁 数】286ページ
【目 次】
[はじめに]
[第1章]投資の勉強をしよう!
[第2章]売買ルールをつくろう!
[第3章]投資家心理と資金管理
[第4章]人生計画と投資スタイル
[さいごに]

追伸

管理人の株式投資の学びに費やした学習費用(負けた費用)は軽自動車1台分位です。

この本を早い段階で読んでいれば、半分位の損失におさまった気がします。