対象者
- 1年以上の長期投資を考えている方
- 年利20%程度を目標にしている方
- 株価の短期の値動きで一喜一憂したくない方
書籍のキーワード
バリュー株投資・リスク管理・こつこつ
概要
著者のかぶ1000氏は46歳で累積利益が4億円です。(2021年時点)
うらましいですね。
いわゆるバリュー株投資になるので、現在のSaas関連などのグロース株への投資は行っていないようです。
バリュー株投資は、割安な銘柄を購入し割高になったら売却する投資手法です。 「安い」銘柄を見つけるのは簡単ですが、「安い」銘柄がずっと安いままの可能性が高く、 将来的に上がる要素を見極めるのが難しいです。
この点、かぶ1000氏は、実質PBRを重視した資産バリュー株投資をメインに投資されているようです。
実質PBRとは、銀行が行っている、在庫や建物等を除いた売却して金銭に替えやすい資産をベースにした 評価です。
最近流行りの銘柄に安易に乗らずに、
「じっくり」「こつこつ」「10年」で
「5倍」を
目標にする方には向いていると思います。
30年以上、株式相場で生き抜いてきたかぶ1000氏の考え方や取引方法は
初心者~上級者まで参考になるのは間違いなしです。
管理人独自の5個のポイント
資産バリュー株投資3つの視点 (Kindle の位置No.697)
一般的 に PBR は 小さい ほど 割安 で、 私 自身 は「 PBR 0. 4 倍 以上 0. 5 倍 未満 が 割安」「 0. 3 倍 以上 0. 4 倍 未満 までが 超 割安」「 0. 3 倍 未満 は 激安」 と 分類 し て い ます
なおかつ、換金性の高い資産を中心にこの基準を適用した場合、 かぶ1000氏の分類かなり厳しいです。
厳しさのレベルとしては、
銀行員がお金を貸す時の基準よりも厳しいです。
銀行は確実にお金を返してくれそうな先にお金を貸すので原則です。
原資が預金ですから。。。
換金性が高い資産中心にPBR0.3倍未満の企業は
業歴が長く、自己資本が積みあがっている
財務健全で銀行から借入がいらないような会社になります。
バリュー トラップ〟 に 陥ら ない ため の「 カタリスト」 とは? (Kindle の位置No.1259)
ほとんど 注目 さ れ ない 地味 な 企業 は、 割安 な 状態 が ずっと 継続 さ れ た まま放置されるいわゆる「バリュートラップ」に陥りがちです。
管理人は、銀行員が融資先を選ぶ感覚で、
換金性の高い資産でPBR2倍未満、業績堅調、配当利回り3%前後の手堅い会社に投資してきました。
結果的には、預金よりは良いですが、年利5%位でした。
物足りないですね。。
結局、株価があがるかどうかは
材料=「カタリスト」があるかどうかになります。
かぶ1000氏は以下の「カタリスト」を例に出してます。
1「配当性向」「 配当 利回り」 が 変化 する
2 絵 に 描い た 餅 の「 含み益」 が「 実現 益」 に なる
3 大 株主 の 株主 構成 が 変わる →「 TOB」「 MBO」 の 可能性 が 高まる
4 「買収 防衛 策」 が 廃止 さ れる
5 地方 の 証券取引所 から 東京証券取引所 への 市場 変更( 重複 上場)
2と4は例外ですが、
1,3,5は利益の積み上げが継続的にきちんと行えている企業が行います。
そのため、投資家もおのずと1年以上の長期投資の目線で投資を行わないと
なかなか「カタリスト」に出会えないです。
「低 PB R」 で「 低 PER」 の 銘柄 は、より 割安(Kindle の位置No.1627)
「PER×PBR」 は「 グレアム 指数」( ミックス 係数) と 言わ れ て おり、 それ が 22・5 以下 だ と 割安 と 評価 さ れ ます。~一部省略~
”ただし、 私 はより 厳しく グレアム 指数 が 5. 0 未満 を 割安 と 評価 し ます。
この基準でスクリーニングをかけると、
8293 ATグループ(トヨタの有力ディーラー)
3504 丸八ホールディングス(寝具の製造販売大手) 等
流行りの銘柄ではなく、昔からの財務優良企業が出てきます。
そのため、コロナショックでも2割程度の下落で済んできますが、
あまり注目されてないので、
「カタリスト」が起きないかぎり、
日本の人口も減っていくとジリ貧なのではという気もします。。
ここまで、何もおきなそうな会社の株式を買う人は少ないです。
なぜなら、株式投資を行う人が少なからずもっている射幸心を満たせないからです。
かぶ1000氏の「少数派に乗る」というのは
10バーガーを狙いたい等の射幸心を全く満たせない、
安定しすぎている株を買うことなのかもしれません。
だから勝てるのかもしれません。
奥深いですね。
「早く利益を上げたい」という気持ちを抑えないと
かぶ1000氏が推奨する銘柄にはなかなか手がでないですね。。
ランキング 化 し た 保有 銘柄 を 毎週 見直し て 最適化 (Kindle の位置No.1914).
この 指標 の 他 にも、 外国人 投資家 の 比率 や カタリスト などを 経験 的 に 加味 し て、 毎週 1 回 保有 銘柄 を「 トリプル A」 から「 シングル C」 まで ランクづけ し て い ます。
さらっと書いてますが、毎週を行うのはかなり大変です。
この辺は専業投資家だから行えることなのかもしれません。
サラリーマンがここから学べることは、
銘柄を絞り、
かつ
自分の勤め先や興味のある業界にしぼりましょう。
弱肉強食の株式市場では、中途半端な知識と覚悟はカモになるだけです。
自分の得意な「銘柄」「業種」で時間軸を長めに投資を行い機関投資家と違う軸で勝負しましょう。
かぶ1000氏は18銘柄保有していると本書に記載がありましたので、入れ替えを考えると100以上、ウォッチしている銘柄があると考えられます。
「さすが」の一言ですね。。。
できるだけ 早く 株式 投資 し た ほう が いい 2つ の 理由(Kindle の位置No.2079)
1つ 目 の 理由 は、 歴史的 に 見 ても 株価 は 上昇 し 続け て いる から です。
~一部省略~
もう一つの理由は、時間 を かけ て 経験 を 積む必要 が ある から。 それ は スポーツ の 世界 とも 似 て い ます。
将来、中学校の社会の授業でこの内容は本当に教えた方が良いですね。
日本の株式市場の時価総額は、
2010年は310兆円でしたが
2020年には640兆円になってます。
一つ目の理由は納得ですね。
株価の上昇理由の一つに、低金利政策があることは間違いないですが、、
二つ目の理由ですが、管理人もやっと利益が出始めたのは、株式投資を初めて3年目になってからです。
3年行うと、年に数回起きる調整局面や上昇局面、
コロナショックのような滅多におきない急落など、経験値が増えて冷静に判断が行えるようになってきます。
コロナショックの時は、毎日ジェットコースーターに乗っている気分でしたが。。。
本書を読むと今日からわかるorできる3つのポイント
- 値下がりリスクを極力さける財務良好先の見極め方
- 株価が上げる要因となる材料(カタリスト)の内容
- かぶ1000氏の保有銘柄
本日の書籍情報
【書籍名】貯金40万円が株式投資4億円‐元手を1000倍に増やしたボクの投資術
【著者名】かぶ1000
【出版社】ダイヤモンド社
【出版日】2021/1/12
【オススメ度】5段階中4
【こんな時に】手堅い株式投資方法を知りたいとき
【頁 数】249ページ
【目 次】
[序 章]5歳からの貯金が株で4億円に
[第1章]かぶ1000流投資スタイルの確立
[第2章]かぶ1000流バリュー株投資の基本
[第3章]「ネットネット株」に注目!
[第4章]かぶ1000流「会社四季報」活用術
[第5章]かぶ1000流「わらしべバリュー株投資」
[第6章]株式投資が資産形成に最強なワケ
[おわりに]
追伸
かぶ1000氏の投資方法は、財務健全な先が割安な時に仕込む投資方法になるため、1年で10倍になるような投資方法ではありません。
その代わり、グロース株やバイオ株のように明日急にストップ安をつける可能性も非常に少ないです。安心して寝られますね。
そのため、石橋をたたいて株式投資を行いたい方には、本当におススメです。
最後になりますが、かぶ1000氏が本当に株式投資が好きなのがわかる1冊になってます。また読み物としてもおもしろいです。
かぶ1000氏は、バリュー株投資ですが、グロース株投資にも興味がある方は、下記の書評も参考にしていただければ幸いです。