[4436]ミンカブ・ジ・インフォノイド (みんかぶ)分析〜同業他社とのアクセス数比較あり〜

今回は、「みんかぶ」、「株探」で
有名なミンカブ・ジ・インフォノイド
の分析記事になります。

同業他社のモーニングスター(4765)、ZUU(4387)、アイフィスジャパン(7833)
そして
朝日新聞、日経新聞の電子板とのアクセス数の比較も
行いました。

好きな企業なので、約8,000文字そして独自の図表も
あるため、読むのに8分はかかります。

よかったらご一読お願いします。

POINT

  1. 運営している「みんかぶ」・「株探」は、同業と比べ圧倒的なアクセス数を誇る
  2. 独自のAI技術と「みんかぶ」・「株探」に蓄積された各種データの掛け合わせが競争力の源泉
  3. 保有している「のれん」等の無形固定資産に減損リスクは常にある

どんな事業をしている会社か

ミンカブ・ジ・インフォノイド(略称:ミンカブ)の主な事業は2つになります。

両事業とも、同規模です。

1.メディア事業(2020年3月期 売上高 1,351,207千円)

 
管理人
運営しているサイト上の
広告主からの広告料個人会員からの月会費になります。
わかりやすいですね。

2.ソリューション事業 (2020年3月期 売上高 1,449,113千円)

出典:ミンカブIRより

 
管理人
金融機関向けに
投資情報の提供を行った
月額利用料が売上になってます。

指標

時価総額:621億円

株価:4,500円

予定年間配当:16円

年間配当利回り:0.40%

予想PER:124倍

PBR:17倍

※2021年4月2日終値時点のデータ

株主優待

「プレミアム優待倶楽部」優待ポイント 500株 4000ポイント〜

 
管理人
株価が上がってしまったので、
株主優待の最低単位500株を買うには、
225万円(500株×4,500円)
必要になります。

配当

2018年3月期  0円

2019年3月期  0円

2020年3月期 16円

2021年3月期 16〜20円(予定)

 
管理人
株主対策なのでしょうが、
一株主としては、
配当出すくらいなら
各種事業に投資してほしいと思ってます。

足元業績(儲かっているのか?売上はあがっているのか?)

連続増収・増益! 今期も増収・増益見込! 絶好調!

※引用元:SBI証券

2020年度3月期における

売上高は、前年度比37.3%増収

経常利益は、前年度比142.3%増収

当期利益は、前年度比平均76.7%増益

業績は絶好調です。

要因

増収、増益を支える要因は大きく分けると、この3つです。

1.ライバル企業と比べて圧倒的に質の高いコンテンツ

みんかぶのコンテンツがどのくらい読まれているのかを

分析しました。

比較対象は、株式等の投資情報を提供している

モーニングスター(4765)、

ZUU(4387)、

アイフィスジャパン(7833)

そして

朝日新聞と日経新聞の電子版

です。

結果はこれです。

「みんかぶ」「株探」の訪問者数は、

モーニングスター、ZUUとは、1桁違う(1640万、1038万)(黄色)です。

各サイトの平均滞在時間についても、株予報(アイフィスジャパン)を除き、
6分〜7分(緑色)とダントツです。

一人あたりの訪問ページについては、みんかぶと株探が1位、2位(青色)を独占です。

なお、調査方法は、下記の通り、similarwebを利用しました。(一部抜粋)

2.シナジーが見込めかつ方向性が定まったM&Aや業務提携が上手い

(1)金融取引の収益向上

○Smart Tradeとの資本提携
 2021年3月24日にミンカブは、Smart Tradeの株式を引受を発表しました。
Smart Tradeは、以下のように売買用のアルゴリズムをリーズナブルな価格で提供をおこなってます。そのため、ミンカブが保有している国内外の金融データや個人の各種データはSmart Tradeが販売しているアルゴリズムの精度を高めるために非常に有用です。

出典:Smart Trade

○株式・投信情報提供ビジネスの拡大
下記の通り、金融機関向けの情報提供ビジネスの業務提携の引き合いが止まりません。

1.丸三証券へ「みんかぶ for マルサントレード」の提供開始
2.QUICKとの業務提携に関するお知らせ
3.大和証券グループ「CONNECT」へ情報サービスの提供開始
4.子会社の異動(ロボット投信株式会社の株式取得)に関するお知らせ

(2)資産把握によるニーズ掌握そして顧客の囲い込み

個人、法人を問わず、金融資産や所有不動産がわかると、

最近のビックデータを組み合わせることにより、

個人の場合は、家族構成、年収、趣味・嗜好 等

会社の場合は、会社の損益、従業員数、経営課題 等

まで推定できてしまいます。

怖いですね。。。

ミンカブは、

個人資産は、「未来貯金

法人の資産は、Prop Tech plus社の「CRE クラウド」を通じて、

顧客の資産把握を行い、AIを利用して金融商品の提案を

行うと予想してます。

3.金融以外の分野への種まき

 財務分析の記事は、決算分析、今後の業績の見込みなど絶対に抑えるべき事項があります。そのため、ある程度フォーマットの沿ったかたちで企業分析の記事は作成されます。
このフォーマットに沿った形での作成に相性が良い記事としては、スポーツの記事や選挙が該当します。そして、スポーツ・選挙は、速報性が非常に重要になるので、ミンカブのAI技術を活かした速報性のある記事は、高い需要が見込めます。
きちんと次の「金のなる事業」の育成に力をいれてます。

AI戦評サービスの商用販売開始に関するお知らせ
イチニ株式会社との資本業務提携に関するお知らせ

決算分析ポイント

1. ストック売上率高い(安定的な売上が見込める)

 ソリューシヨン事業(金融機関向けの情報提供サービス)は、4分の3が
ストック売上になります。つまり、毎月自動更新の携帯電話とおなじような
契約形態です。安定的な売上が見込めます。

出典:ミンカブ IR資料より

2.減損リスクあり

 実施したMandAやシステム開発が見込み通りの収益が上げれなかった場合は、無形固定資産の評価を落とす(減損)必要があります。

2020年第3Qにおいては、主な無形固定資産は38億円(赤囲み部分)あります。純資産も38億あるので、あり得ませんが、38億円の減損を行っても債務超過にはならないです。

ただし、システムは技術の進歩が早いため、ソフトウェア等の資産科目において今後減損は起きる可能性は高いと考えてます。

今後の見込み(市場規模)

下記の通り、日本の資産運用会社の運用受託額は700兆円です。

出典:日本の資産運用ビジネス2020/2021

そのため、

仮に1%が手数料として、運用受託を受けた会社の手数料収入として計上されると

7兆円の規模になります。

ミンカブが行う、金融機関に対する情報提供、資産管理サービス市場が

手数料収入の7兆円市場の1%と仮定しても、

潜在的なミンカブのソリューション事業の市場規模は、

700億円は見込めます。

ミンカブの2020年3月期の売上高は、28億円程度ですので、まだまだ開拓の余地はあります。

ライバル企業

投資情報を提供しているミンカブの競合会社として、

モーニングスター(4765)、

ZUU(4387)、

アイフィスジャパン(7833)

があります。

再掲ですが、

「みんかぶ」、「株探」の月間訪問者(黄色の網掛け)は、1,640万、1,038万です。

モーニングスター(4765)203万、ZUU(4387)185万、アイフィスジャパン(7833)は77万にとどまっています。

同じように、サイトへの平均滞在時間(緑の網掛け)、サイト内の訪問別ページビュー(青色の網掛け)も優位性があります。

現状では、

ミンカブ一強、敵なし

になります。

参入障壁及び優位性

ミンカブの行っている

メディア事業(株探、みんかぶ等のWebサイト運営等)及び

ソリューション事業(AIによる記事作成、金融機関向け各種情報提供等)

については、どちらも「データの積み上げ」が必要な事業なため、

新規参入はかなりハードルが高いです。

月間訪問ユーザー数2,600万人による「蓄積されたデータ」と

そのデータを活用する「独自のAI活用の技術」の

組み合わせがミンカブの優位性になります。

株価予想

2021年3月期の決算発表のタイミングでは、目新しいIRがない限り、

現状のPER 120倍、PSR 15倍、株価4,500円程度を予想します。

理由は、

similarwebを利用して、3月の「みんかぶ」、「株探」のアクセス数を
調べた結果を踏まえると
下記の表の青色の網掛け部分程度の伸び率が予想されるためです。

IRスケジュール

2021年3月期の決算発表が5月14日に予定されています。

決算発表の内容は、メディア事業もソリューション事業も堅調な伸びが予想されるので、新規の材料がない限り
大きく株価は動かないと予想してます。

追伸

[4436]ミンカブ・ジ・インフォノイドは、「選挙ドットコム」を運営するイチニ株式会社と資本業務提携を行ったので、今後は、選挙銘柄の要素も持ってくると思ってます。 

他にも以下の分析記事がありますので、よかったら読んでみてください。

【3491】GA technologies分析〜RENOSY事業の他社比較「体験談」あり〜

【7320】日本リビング保証 「長期前受収益」を使って10年先の売上高を積み上げている優良企業