この記事で学べること
- すぐに売れそうな投資用ワンルームの場合は、「囲い込み」を行っている業者から買うしかない。
- 購入希望者が「囲い込み」をしている証拠を各自治体の不動産取引相談課やレインズ(東日本不動産流通機構)に訴えても何も解決しないので、時間と労力の無駄になる可能性が高い。
- 「囲い込み」は必要悪であり、買主から見ると案件が早くまとまり、値引き交渉しやすいメリットがある。
この記事の対象者
- 不動産ポータルサイトで良い物件を見つけたけれど、掲載している業者ではなくて、気心が知れている業者から買いたい方
- 不動産業界における「囲い込み」の話を買い主の立場から聞きたい方
- 「囲い込み」物件の購入を失敗した話を聞きたい方
はじめに
本記事は、管理人が購入したかった投資用ワンルームが「囲い込み物件」だったため、管理人は購入することができなかった失敗談の記事になります。
「囲い込み」物件に遭遇した時の対応方法について今回はお話したいと思います。。
ワンルーム投資における「囲い込み」について
囲い込みとは
売主から不動産業者が売却に関する専任媒介契約を締結しているにもかからず、意図的に他の不動産業者に物件を紹介しないことです。
囲い込み物件の見極め方
以下の条件に該当する場合、囲い込み物件の可能性が濃厚です。
- 相場より割安なのに楽待や健美家等の不動産ポータルサイトに1社から掲載後、数日経っても他の業者からの掲載がない。
- 掲載している業者に電話を行うと、他の業者が入るのは困ると言われる。また、他の業者からの電話には、他に買付が入っていると断る。
- 売主側業者(元付)が専任媒介契約を結んでいる。(ポータルサイトの該当物件のページで原則確認できます。)なお、専任媒介契約とは、1社のみに依頼する媒介契約です。
どのくらい「囲い込み」が行われているか
下記の表は、各社における両手取引の割合の記事です。
出典:ダイヤモンド不動産研究所
売主又は買主どちらからのみ手数料をもらう取引を「片手取引」、売主と買主どちらからも手数料をもらう取引を「両手取引」といいます。
「両手取引」だから、必ず、「囲い込み」を行っているとは言えないですが、「両手取引率」が60%代の会社と20%代の会社では、営業の仕方が同じとは考えづらいですね。。
そうです。ただし、不動産会社は売主と専任媒介契約締結を行った翌日から7日以内(不動産会社およびレインズの休業日は除く)にレインズに登録を行えば問題ありません。
逆に言うと業者の休みも考えると9日間位は、レインズに登録しなくて良いので9日間以内に買主を見つけると両手取引が行えます。
囲い込み物件に遭遇したときの対応(重要)
- 不動産会社に仲良しの担当者がいる場合は、気になる物件のキャプチャー等を送ってみましょう。
- 仲良しの担当者に「仲介に入れるか」「入れないか」を物件を掲載している業者(元付け業者)に聞いてもらいましょう。
- 「仲介に入れない」又は、「他に買付が入っている」と言われた場合、仲良しの業者には、一言断りを入れて、自分で元付け業者に問い合わせをすると伝えましょう。
- まず落ち着いて、買いたい物件を知らない業者からでもほしいと思えるか冷静に考えてください。
不動産取引は、金額も大きいので、「はずれ」の担当者にあたるとストレスがたまります。
また、紙のやりとりが多いので、業者の店舗が遠い場合は、喫茶店での打ち合わせや郵送のやりとりの発生など結構手間がかかります。 - 検討の結果、購入したいと思えたら、「囲い込み」を行っている業者に電話を行い提携ローンの紹介を頼めるか確認します。小さい不動産業者の場合、提携ローンの紹介ができないと言われることがあります。(現金購入ができるなら気にしなくて良いですが。。)
条件の良いワンルーム投資用の提携ローンを知りたい方はこちら - 一般的な購入時の確認事項について質問を行い、そして資料をもらう
どんな内容を聞いたら良いかわからない方は、こちら - 納得できたら買付申込書の提出
買付申込書の書き方はこちら - (重要ポイント)値引き交渉
あなたの利益最大化の作戦はただ一つ、 値引き交渉になります。
営業担当者は売り主と買い主であるあなたからそれぞれ、手数料がほしいから囲い込みをしている訳です。
営業担当者の立場たつと、両手取引で早めにクロージングできるなら値引き交渉は応じてくれるばずです。
ただし、実際に値引き交渉をお願いするときも、両手取引のことは、全く触れずに下手にお願いしましょう。
こんな感じで。
「いつもは別な業者にお願いしているんだけど、今回は○○さんが本当によくしてくれたので、是非○○さんから買いたいです。ただ、予算がすこしオーバーしてるので、値引き交渉をお願いできないかな。。」
「囲い込み」は必要悪か?
管理人は、きちんとした業者が「囲い込み」を行うことは、社会的にマイナスな効果もあると思いますが、「囲い込み」や「両手取引」を全くしなかった場合は、一般消費者がより困る可能性もあると思っているので、条件付きで必要性は感じてます。
不動産業者は2019年3月末時点で全国に約12万ほどあります。
コンビニが全国に約6万店舗なので約2倍もあります。
宅地建物取引業者の状況
平成31年3月末(平成30年度末)現在での宅地建物取引業者数は、大臣免許が2,569業者、知事免許が121,882業者で、全体では124,451業者となっている。
対前年度比では、大臣免許が64業者(2.6%)、知事免許が605業者(0.5%)それぞれ増加となっている。全体では669業者(0.5%)増加し、5年連続の増加となった
本当に、業者の「質」は本当に玉石混交で、得意分野もまちまちです。
不動産取引は、多額のお金のやり取り、登記等、失敗した場合非常に大きな問題が起きます。
特に、銀行で任意売却案件などを行っているときは、決済が一日遅れると売主は利息もかさみますし、期日までに売却ができない場合は、競売になる事もあります。
そんな、失敗が許されない状況で、全然知らない不動産業者が間に入っくるのは、銀行も不動産会社の担当者も避けたいと思うのが普通です。
そのため、不動産業者・金融機関からすると、全然知らない業者と取引を行うより両手取引を行った方が、安全に自分たちのペースやルールで行えるので、手早く案件をクロージングできるメリットがあります。
また、売主も買主も早く案件がまとまるメリットを享受できます。
以上から、管理人は「囲い込み」は現在の日本の「宅地建物取引業法」上は、やむ得ないと考えてます。
追伸
管理人も実際に「囲い込み」に遭遇した時には、同じ手数料払うのだからいつも取引している融通が効く業者に依頼できないので、一個人としては、その場では納得できない感情がありました。
その後、冷静になって自分の感情と投資の成功を天秤にかけたら、当たり前ですが、投資の成功が大事なことに気づきました。
「囲い込み」物件に遭遇したら、感情的にならず、どうしたら値引き交渉ができるか考えましょう。
改めて、感情のコントロールが投資の成功には必須なのが痛感させられますね。